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2024/02/15更新

任意整理できない場合

✕マークをする女性

「どんな場合に任意整理できないの?」
「任意整理ができる条件とは?」

希望する人全員が、任意整理できるわけではありません。

・返済資金を用意できない
・差押えを受けている

例えば、任意整理できないケースとしては、こんな場合があります。

また、任意整理手続きを開始しても、任意整理が中止になる場合もあります。

任意整理をするために必要な条件も、一緒に確認していきましょう。

対話「任意整理できない場合」

カードで500万円支払いがある。

任意整理できないかな…?

月に5万円なら払っていけるんだけど…。

任意整理は5年返済が1つの基準。

500万円÷60ヶ月=月に8万4000円が目安。

月5万円の返済資金だと厳しいかな…。

任意整理しても8万円は必要なんだね…

自分で返済額は決められない?

返済金は、相手のカード会社との交渉で決まる。

月5万円だと、500万円を完済するのに100ヶ月かかってしまう…それは難しいの。。

なるほどね。

逆に、5年で払えれば100%任意整理はできるの?

ほとんどのケースでできる。

できないケースは、消費者金融の利用でカードの利用が1年未満の場合とか。

分割払いが1年とかになってしまう。

そうすると、1ヶ月の返済額が高くなるから、任意整理する意味がないね。

なるほど…50万円を1年返済だと月に4万2千円。

この返済額だと高いもんね…。

アルバイトでも任意整理はできる?

正社員である必要はないからアルバイトでもパートでも大丈夫。

収入の範囲で返済できるなら大丈夫だよ。

なるほどね、よく分かった!

自分は、返済資金が毎月用意できないから、任意整理はできないと思う。

任意整理以外に何か対策はある?

任意整理ができない場合は、個人再生か自己破産を検討。

両方とも裁判所の手続きになるね。

5万円払えれば個人再生は大丈夫、家計状況によっては自己破産も通ると思う。

よかった…他にも解決策はあるんだね。

いずれにしろ、このままでは借金が払えなくなるから、何かを進めていきたい。

先生、よろしくお願いします!

任意整理ができる条件とは?

身分ではなく返済能力が大事

「専業主婦だけど任意整理はできる?」

「アルバイトやパートでも任意整理に問題はない?」

任意整理をするのに、正社員でなければならないということはありません。

パートでもアルバイトでも、契約社員、派遣社員でも問題はありません。

専業主婦でも、夫の収入で支払いができれば、任意整理はできます。

身分が問題というより、「継続して支払いができるか?」が任意整理では重視されます。

無職や生活保護は難しい

任意整理の返済を行っていくには、そのための資金(収入)が必要です。

そのため、毎月安定した収入があることは任意整理できる条件になります。

無職であると返済資金を捻出できるとは考えにくいため、「任意整理できない」と判断されることは多くなります。

また、生活保護を受けている場合にも、任意整理はできません。

生活保護費から、任意整理の返済金を捻出することは禁止されているためです。

5年で返済できるか?

5年で返済できるかがポイント

任意整理の返済は、5年(60ヶ月)の分割払いが基本です。

つまり、5年で払いきれる資力がないと「任意整理できない」と判断されることもあります。

なお、他の債務整理関係のホームページで「任意整理は3年で返済するのが目安」と表記されている場合もあります。

実際は、3年以下で和解になるケースは全体の10%もありません(当事務所の場合)。

そのため、5年での分割払いを基本と記載しています。

借金額÷60回払い=任意整理の返済額

5年払いをする場合の目安は以下の通りです。

「@マーク=1ヶ月の返済資金」これを毎月の収入から用意できるかがポイントです。

・借金200万円の場合(200万円÷60ヶ月=@約3万4000円)

・借金300万円の場合(200万円÷60ヶ月=@約5万円)

・借金400万円の場合(200万円÷60ヶ月=@約6万7000円)

・借金500万円の場合(500万円÷60ヶ月=@約8万4000円)

・借金600万円の場合(600万円÷60ヶ月=@約10万円)

5年で和解できないケースもある

多くの任意整理では5年の分割払いですが、5年より短い分割払いのケースもあります。

その場合は、上記の@目安よりも、さらに多い返済金が必要となります。

そして、その資金を用意できないと「任意整理できない」という判断になります。

例①)利用期間が短いと、消費者金融では1年~3年程度の分割払いを要求される。

例②)裁判所に訴えられていると、3年程度の分割払いを要求される。

5年以上で和解できるケースもある

反対に、5年以上で分割払いの和解が組めるケースもあります。

クレジットカードの任意整理で多いですが、84回(7年)や120回(10年)の長期分割が可能な場合もあります。

この長期分割を受け入れてもらえると、任意整理の返済額@を下げられます。

そのため、5年の分割では任意整理できない人も、任意整理ができるようになります。

例①)ニコスの100万円の支払いに、毎月1万円×100回払いの和解が成立。

例②)エポスの80万円の支払いに、毎月1万円×80回払いの和解が成立。

差押えがあると任意整理ができない場合も…

差押えが入る場合とは?

カードの返済などを滞納すると、裁判所へ訴えられるケースがあります。

そして、裁判所で判決が出されると、財産の差押が可能になります。

差押えの方法としては、給料への差押えや銀行口座への差押えが一般的です。

給与や銀行口座に差押えが入ると、強制的に滞納金の返済に充てられます。

差押えと任意整理の関係

差押えが行われていると、任意整理に応じてもらえないことがあります。

その理由は、すでに差押えで返済金の支払いを受けられているからです。

カード会社側からすると、任意整理に応じる必要がないためです。

「差押が行われていると任意整理できない」とまでは言えません。

しかし、差押えを解除するほどの好条件を提示しなければ、任意整理できない可能性が高いと言えるでしょう。

任意整理が中止になる場合

連絡がとれないと中止

任意整理は、司法書士や弁護士に依頼して手続きを行うものです。

任意整理の手続きは、司法書士や弁護士が代理で行います。

そのため、手続きの進行状況の確認を、依頼人と連絡を取り合う必要性があります。

その際に、連絡がつかなかったり、手続きに対して非協力的だと、「任意整理をするのは難しい」という判断になり、手続きを辞任されるケースがあります。

費用の支払いがないと中止

任意整理の手続きを依頼するには、費用の支払いが必要になります。

この費用を契約通りに支払わないと「任意整理の継続ができない」と判断されます。

代理人に辞任をされてしまうと、それまで進んだ任意整理手続きは白紙に戻ります。

結果、任意整理ができなかった…ということになってしまうので、注意しましょう。

任意整理できない場合はどうしたらいい?

より強力な債務整理を検討する

任意整理ができない場合には、個人再生や自己破産といった、他の債務整理を検討します。

個人再生は、利息の免除だけでなく元本の減額も可能な方法。

自己破産は、利息・元本ともに免除されて借金の支払い責任が免除される方法です。

共に任意整理より効果が強い手続きであるため、任意整理が難しいケースでも、解決の道を探ることができます。

個人再生や自己破産のデメリット

ただし、個人再生や自己破産には、以下のようなデメリットもあります。

・車のローンや奨学金も対象になる

・人によっては生活に支障が出やすい

・裁判所の手続きであるため大がかりで煩雑

・官報掲載があるため秘密にしにくい

こうしたデメリットは任意整理ではありません。

個人再生や自己破産特有のデメリットと言えるでしょう。

また、自己破産では、住宅ローンも対象になること、職業制限など、個人再生よりもデメリットが多くなります。

本ホームページについて

このホームページは、今までの任意整理の経験・実績を元に執筆しています。

執筆する司法書士は任意整理歴15年。2024年現在で1万5000件以上の和解実績があります。

日々行っている任意整理の現場から、正しい情報と知識をご提供致します。

ホームページ内のトピック

本サイトの記事の監修者

司法書士・行政書士 山口広樹

司法書士・行政書士  山口広樹(やまぐちひろき)

・神奈川県司法書士会2376号
・法務大臣認定番号801245号
・神奈川県行政書士会4407号

かながわ総合法務事務所の司法書士・行政書士。任意整理の和解は1万件以上の実績。

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