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2024年11月28日より、CICが「クレジット・ガイダンス」を開始しました。
クレジット・ガイダンスは、「CIC独自の基準」で個人の与信能力をスコア化したもの。
2024年10月時点では、スコア620~709点に50%以上が集中しているようです。
スコアが高ければ「支払い能力が高い」評価が下され、CICを参照するクレジットカードやローンの与信審査に通りやすくなります。
※2025年4月1日よりCIC加盟企業に情報提供される予定。
ただし、このスコアは年収や預貯金などは加味されておりません。
年収・資産などの能力や、他の信用情報機関JICCや全銀協での支払能力を加味すれば、このスコアより支払能力の高い人はいるでしょう。
あくまで、CICの基準でスコア化されたものにすぎないという認識は必要です。
CICが提供する与信(支払い)能力の指標が、クレジットガイダンス情報です。
個人の信用能力を200点~800点にスコア化したものです。
CICが独自分析で算出した「指数(スコア)」とその「算出理由」を、「クレジット・ガイダンス情報」として提供するサービスです。
性別・年齢・年収・職歴・学歴・家族構成といった属性情報は、スコアに加味されません。
郵送又はネット申請で、CICの該当ページより誰でも申し込めます。
CICは株式会社シー・アイ・シーの略称で、指定信用情報機関の1つです。
837社のクレジット会社や消費者金融、銀行などが会員で、クレジットカードの発行・利用やローンの融資審査の際に参考にされる情報(信用情報)を管理している機関です。
割賦販売法・貸金業法に基づく指定を受け、クレジット会社の共同出資により昭和59年に設立されました。
クレジットガイダンス情報(信用スコア)は、2024年11月28日からスタートしたものです。
以前からあった「信用情報の開示請求」とは異なります。
信用情報は、独自のアルファベット記号($・A・B・Cなど)を使い、過去・現在の支払い状況を表示しているものです。
長期に渡る(61日以上又は3か月以上)返済の遅れがあると、返済状況欄に「異動」と表示されるのも特徴です。
この信用情報の内容を総合してスコア化したもの、それが「クレジットガイダンス情報」と考えればよいと思います。
信用情報とクレジットガイダンスを同時取得することも可能です。
CICが発表したスコアの統計情報(指数レンジ)は、上記の画像のとおりです。
この内容によると、大部分(50%以上)はスコア620~709点に集中しています。
これに「530~619点」20%強、「710点~800点」20%弱が続きます。
スコア529点以下は全体の10%程度という分布です。
指数の目安としては、以下のようなイメージになるでしょう。
200~400点台(低い)
500点台(やや低い)
600点台(普通)
700~800点(高い)
信用スコアは「CICに登録されている客観的事実」によって算出されます。
つまり、過去・現在の実際のクレジットカードやローンの利用状況によって判断されるということです。
具体的には、以下の項目が信用スコアの算出に参考にされます。
・支払状況
「請求額」や「入金額」等から、請求に対する支払状況を確認する項目
・残高
「残債額」等から、残高の大小を確認する項目
・契約数
クレジット情報の件数から、保有されてきた契約数を確認する項目
・契約期間
「契約年月日」から現在までの契約期間を確認する項目
・申込件数
クレジット会社等からの「照会件数」を基に、新規契約の申込件数を確認する項目
上記のとおり、信用スコアは、過去・現在のCICにおけるクレジットカードやローンの利用状況を元に算出されるものです。
年収や資産は考慮されていないため、「真の」支払い能力を図ることはできません。
※年収・資産・性別・年齢・勤務先・職歴・学歴・家族構成などは考慮されない。
例えば、高年収で多額な資産があり、クレジットやローンをあまり利用しない人は、スコアが伸びない(そもそもスコア算出されない)ケースもあるでしょう。
また、クレジットガイダンスのスコアは、あくまでCICが導き出したスコアです。
JICCや全銀協など他の信用情報機関は介在しておらず、他の信用情報機関での信用まで加味されているものではありません。
クレジットガイダンス情報が、表示されないケースもあります。
それは、以下に該当するような場合です。
・CICに登録されているクレジット契約が締結6か月未満の場合
・CICに登録されているクレジット契約が「返済状況・異動」契約のみである場合
・CICに登録されている電話番号などの情報が最新でない場合
クレジットガイダンスは、「CICの与信審査でのみ利用」とその目的は限定されています。
CICに加盟している機関が、与信審査の際に信用スコアを参考にするというわけです。
※加盟機関への情報提供は2025年4月1日が予定されています。
なお、このクレジットガイダンス情報は、個人情報保護法に基づいて認められています。
そのため「情報提供の停止措置」の申請も可能であり、その場合にはCIC加盟企業への情報提供はなされないということです。
この停止措置、その停止措置の解除は、手数料なしでいつでも申請が可能です。
クレジットガイダンスの利用は、スマホ・パソコンから利用できます。
(スマホの場合)
・iPhone(Safariで利用)
・Android(Chromeで利用)
(パソコンの場合)
・Windows(Microsoft Edge又はGoogle Chromeで利用)
・Mac OS(Safariで利用)
インターネット開示では、利用手数料:500円(税込み)がかかります。
支払方法は、クレジットカードかキャリア決済を選択できます。
(支払い方法)
・クレジットカード
・キャリア決済(d払い・auかんたん決済・ソフトバンクまとめて支払い・Yモバイルまとめて支払い)
※先頭3桁が「070」「080」「090」の11桁の電話番号はキャリア決済利用不可。
インターネット開示を利用する場合、まずは電話で受付番号を取得します。
「クレジット契約で利用(登録)した電話番号」から0570-021-717にTEL。
・サービス時間:8:00~21:45(年末年始もご利用いただけます)
音声ガイダンスに従って「受付番号」を取得しましょう。
※その後、1時間以内にネット開示画面に進む必要があります。
取得した受付番号・受付番号を取得した電話番号を入力します。
入力した電話番号あてにSMSで認証コードが送信されます。
※取得した認証コードは受付番号取得時から60分間有効。
開示専用ページで必要事項を入力し、手数料の決済を行います。
パスワードを入力すると、開示報告書を取得できます。
この報告書に、スコア(指数)とスコアの算出理由が記載されています。
情報開示後、「開示をされた」旨の確認メールが届きます。
CICの「郵送で開示する」ページから、以下のいずれかを選択します。
・「信用情報開示申込書」をWEBで作成する。
・「信用情報開示申込書」を印刷し、書面に必要事項を記載する。
郵送開示の手数料は1500円、以下のいずれかの方法で支払う必要があります。
・開示利用券(コンビニチケット)
・ゆうちょ銀行の定額小為替証書
本人確認書類は以下の内「2点」必要です。
・運転免許証または運転経歴証明書
(表面・裏面コピー)
・マイナンバーカード[個人番号カード]
(写真付表面のみコピー)
・パスポート(コピー ※住所欄含む)
・各種健康保険証(コピー ※住所欄含む)
・写真付住民基本台帳カード
(表面・裏面コピー)
・各種年金手帳(コピー ※住所欄含む)
・各種障がい者手帳(コピー ※住所欄含む)
・在留カードまたは特別永住者証明書
(表面・裏面コピー)
・住民票(本籍地・個人番号の記載がない、発行日から3ヶ月以内の原本またはコピー)
・戸籍謄本または戸籍抄本(発行日から3ヶ月以内の原本またはコピー)
・印鑑登録証明書(発行日から3ヶ月以内の原本またはコピー)
(本人確認書類の注意事項)
※本人確認書類のうち1点は、申込書に記入された現住所記載のものが必要。
※旧姓での開示を希望の場合、これを確認できる戸籍謄抄本等が必要。
※本人確認書類に本籍地、個人番号、基礎年金番号、保険証の記号番号が記載されている場合は、これを塗りつぶして送付。もし、そのまま送られた場合は、ただちに復元できないようにマスキングし細断廃棄されます。
※個人番号に関する「通知カード」は本人確認書類としてご利用できません。
・信用情報開示申込書
・必要書類
・手数料
この3点をまとめて「郵送開示センター」に郵送すると、約10日程度で簡易書留で開示報告書が届きます。
指数と書かれているのが、CICにおけるあなたの信用能力スコアです。
このスコアは、その後の支払い状況や契約内容によっても変化するため、申請時点でのスコアという認識でおりましょう。
その指数(スコア)を算出するに至った理由が書かれており、最大で4つの算出理由が表示されるようになっています。
「未入金がないため指数にプラスの影響を与えています」などの理由が表示されます。
CICによると、指数(スコア)は、「充実した信用情報を統計的に分析することで、高い精度を実現しています」と発表しています。
・継続した定期的な精度検証
・算出理由の明示が可能な統計的分析手法を採用
・外部有識者等による助言・評価
こうした観点から指数算出を図り、ブラックボックス化の恐れのあるAI等の手法は採用していないようです。
信用能力がスコア化されたことで、貸主側の与信審査の負担は楽になります。
加盟企業へのスコア提供は、2025年4月1日と予定されています。これ以降は、「与信審査の負担が軽くなる=審査スピードが上がる」ことが考えられるでしょう。
過去よりもスピーディーかつ確実な審査ができるようになり、金融DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも一役買うことになるでしょう。
今までは、一般個人の方がCIC信用情報を見ても、自身の状況を把握しにくいという課題がありました。
信用能力がスコア化され、自身の状況を簡単に理解できるようになりました。
これによって、自身のスコアを上げようとする動き(返済改善)が起きるでしょう。
その結果、借主は早めに返済改善の措置をとれることになり、貸主は貸し倒れのリスクを防げることとになります。
クレジットガイダンスが作られた1つの目的に、「多重債務・自己破産の防止」があげられています。
2024年10月時点でのスコア分布は、指数レンジ530~800点に90%以上が該当しています。
返済が苦しい状況にあって、全体の10%以下である529点以下に該当する場合には、すぐにでも債務整理を検討すべき段階と言えるでしょう。
司法書士・行政書士 山口広樹(やまぐちひろき)
・神奈川県司法書士会2376号
・法務大臣認定番号801245号
・神奈川県行政書士会4407号
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