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任意整理したことはマイナンバーに記録されるのか?
職場にマイナンバーを提出すると、任意整理したことが分かってしまうのか?
こうした任意整理とマイナンバーの関係性について、解説していきます。
結論として、任意整理を行っても、マイナンバーに情報化されることはなく、これは裁判所に申立てを行う個人再生や自己破産でも一緒です。
また、借金をした(している)事実も、マイナンバーからは分かりません。
なお、誤解しやすい点として、借金のことや債務整理のことは信用情報に記録されています。
しかし、この信用情報とマイナンバーは紐づいていないため、信用情報の記録がマイナンバーから分かることはありません。
マイナンバー制度は「国民の生活利便性を図る」「行政手続きの簡素化・効率化」「脱税や不正給付の防止等」こうした内容を主な目的として、2015年より発足しています。
こうした目的のためにマイナンバーは活用され、この目的外の個人のプライバシーを管理するものではありません。
「借金があること(過去に借金があったこと)」「債務整理を行ったこと」は、上記の目的とは関係がないため、マイナンバーに記録されないというわけです。
マイナンバー制度は、以下の3分野で活用されています。
・社会保障
(年金や雇用保険、医療保険の手続き、生活保護や児童手当などの福祉給付)
・税
(確定申告書や源泉徴収票の作成など、税務署への提出書類に利用)
・災害対策
(災害時の被災者支援の際に、本人確認や支援手続きに利用)
マイナンバー制度の活用範囲が年々拡大しているのは確かですが、極めてプライベートな情報である「借金」や「債務整理を行ったこと」がマイナンバーに記録されるということは、今後も考えにくいと思います。
例えば、会社勤めの従業員は、会社側へマイナンバーを知らせる義務がありますが、これは個人のプライバシーを把握するためではありません。
・社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険)の加入・喪失手続き
・税務手続き(年末調整、源泉徴収票、支払調書)
において必要になるからであり、会社もその範囲でのみ、マイナンバーを利用しています。
また、銀行にマイナンバー提出が必要な場合は、法令で「預金口座とマイナンバーの紐づけが義務付けられている」ため、また、「給付金の申請や手続きをスムーズに行う」のも目的の1つです。
このように、マイナンバーを提出する際には、提出先にそれぞれマイナンバー利用の目的があり、その範囲内でしか使用されません。
個人のクレジットカードやローンの利用状況が記録されているものを信用情報といい、信用情報機関であるCIC・JICC・全銀協によって、この情報は管理されています。
信用情報を見れば、「どこから借りているか?」「どのくらいの借金があるか?」は把握できます。
また、「滞納しているか?」「債務整理を行っているか?」といった情報も把握できます
この信用情報記録とマイナンバーは紐づいていません。
クレジットカードやローンの利用状況は信用情報に記録されますが、マイナンバーに紐づいていない上、マイナンバーから分からないということです。
一方で、「自分の信用情報を確認する」ために、インターネットでの信用情報開示サービスを申込む場合、この申請にマイナンバーカードが必要になるケースはあります。
これは、第3者の成りすまし防止を防ぐために、マイナンバーが必要になるだけであって、マイナンバーカードに信用情報の記録が残るわけではありません。
任意整理の依頼は、司法書士や弁護士に対して行うことができますが、この際に、マイナンバーを提出する必要はありません。
また、任意整理を行う相手側(貸主)に対して、マイナンバーを提出することもありません。
任意整理を行うにあたって本人確認書類が必要になりますが、これはマイナンバーカードが必須なわけではなく、運転免許証やパスポートなどで十分です。
そのため、任意整理とマイナンバーが紐づくこともないため、任意整理した事実がマイナンバーから分かることもないというわけです。
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産と3種類があり、個人再生や自己破産では、裁判所の申し立てが必要になります。
裁判所への申立てを行う際に、「裁判所にマイナンバーを提出する必要があるか?」という点ですが、提出の必要はありません。
むしろ、裁判所はマイナンバーの記載された書類を受け取りません。
例えば、破産申立ての際には、住民票の写しが添付書類として必要になりますが、「マイナンバーの記載がない住民票の写し」が要求されます。
裁判所自体がマイナンバー要求していない(把握していない)ことからも、破産したこととマイナンバーの紐づけがなされていないことは明らかと言えるでしょう。
山口広樹(やまぐちひろき)
・神奈川県司法書士会2376号
・法務大臣認定番号801245号
・神奈川県行政書士会4407号
司法書士歴17年・行政書士歴15年。
かながわ総合法務事務所の司法書士・行政書士。
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