過払い金請求と任意整理の違いとは？

過払い金とは、クレジットカード会社や消費者金融に払いすぎたお金です。

この「払いすぎたお金」とは、利息で払いすぎたお金を刺します。

2007年頃までは、キャッシング金利が最大29.2％のカードがありました。

こうした20％台の金利は利息制限法違反であるため、過払い金の対象になります。

返済中のみならず、すでに完済している場合でも、過払い金は請求できます。

ただし、完済している場合は「完済後10年以内」という期限があります。

例えば、2015年12月10日完済の場合、2025年12月10日までが過払い金の期限となります。

返済中の段階で、過払い金が発生した場合には、借金の元金を減らすことができます。

この減った元金に任意整理を行うことで、大きな効果が期待できるようになります。

完済している場合にはお金が戻ってきます。これを、他の借金の返済に充てたり、生活資金や貯金として確保できるようになります。

任意整理とは債務整理の一種で、カード返済が苦しい場合に行えるものです。

利息の支払いを無くし（条件によっては減少にとどまる）、元金だけの返済に変えていく手続きのことです。

消費者金融・クレジットカード・銀行カードローンなどの借入や買物利用分、携帯電話の利用料金などが、任意整理の対象になります。

例えば、カード5枚で300万円の支払いがある場合、1年で15～18％の利息やリボ手数料を支払っています。

その金額は、300万円×15％＝45万円、300万円×18％＝54万円にもなります。

任意整理をするとこうした利息などの支払いがなくなり、自分で返済するよりも任意整理をしたほうが返済の負担は軽くなるというわけです。

任意整理をすると、ブラックリストになります（信用情報に傷がつく）。

そのため、任意整理の手続き後5年～10年は、クレジットカードの利用やローン審査の際に、マイナスの影響が出ます。

利息などの支払いが無くなる代わりに、こうしたペナルティが発生するというわけです。

任意整理と過払い金請求は、同時に行うことができます。

同時に行った場合、過払い金で元金を減らし、任意整理で利息などの支払いを無くします。

これにより、自分で支払うよりも、はるかに楽な返済になります。

もし、支払い残金より多くの過払い金が発生した場合（過払い金＞支払い残）には、返済がなくなりお金が戻ってきます。

この場合が最高の結果と言えます。

当事務所では、任意整理の手続きを進める際、過払い金も無料で一緒に調べていきます。

過払い金請求と任意整理を併用して、なるべく借金の支払いを減らしていきます。

過払いがあるか？ないか？は、引き直し計算をすると分かります。

引き直し計算とは、利息制限法の金利に基づいて利息の再計算を行うことです。

まずは、カード会社から取引履歴を取り寄せます。

ここに過去の借入れや返済情報は載っているので、これを元に払い過ぎたお金の計算を行っていくわけです。

・実際にあなたが支払った金額
・払いすぎた金額
が明確になるため、これらを比較することで過払い金の発生が明確になるのです。

支払い残金50万円－過払い金20万円＝借金は30万円になります。

この30万円に任意整理を行うと、毎月5000円×60ヶ月（5年）の分割払いになります。

任意整理をすると利息抜きの返済になるため、元金のみを返済すれば大丈夫です。

多く払うのは自由ですので、毎月3万円払えば10ヶ月で30万円の支払いは終わります。

借金の支払いは楽になりますが、5年～10年程度のブラックリストになります。

過払い金が支払い残より多いので、借金は０になります。

そして、差額の50万円は現金として返してもらうように請求します。

借金以上の過払い金がある（借金＜過払い金）と場、ブラックリストにならないケースもあります。

少なくとも、過払い金が戻ってきた段階で、ブラックリストは解除されます。